
前回の記事で紹介した、スノーモービルやトナカイぞりで白銀の森や、凍結した湖の上を走り抜ける体験は最高に楽しい思い出でしたが、このフィンランドの旅でのメインイベントはなんといっても「オーロラ鑑賞」です。
一生に一度は見てみたい!と思っていたオーロラ。
現地へ行っても、必ず見れるわけではないのが自然現象の難しさ。
なのですが、、、なんと、あっさり実現。(笑)
北極圏に滞在したのはわずか3日間でしたが、2日連続でオーロラに出会いました!
まさかの「食」難民に!
なにせ北極圏に滞在できるのはわずか3日間。
北極圏の小さな町キッティラには3泊しましたが、1泊目は夜に到着したためホテルへ直行。
この日はな~んにもないホテルの周辺をちょっとだけお散歩して終了だったため、オーロラチャンスは実質2日間です。
1月のキッティラは本当にひと気がなく、とっても静かな白銀の世界。


正直、アクティビティに参加しないことには、何も娯楽はありません。(笑)
ひたすら、信じられないくらいきめ細かいパウダースノーとの触れ合いを楽しむのみ!
たぶん、クリスマスの時期には観光客も増えて、もっと賑やかな町になるのだと思いますが、1月中旬のキッティラは観光客もまばら。
つまりは、お客さんがいないからショップも開いていないし、レストランもカフェも開いていないという、、、。
キッティラでいちばん困ったのが、なんと「食べる」ことでした。(笑)
お昼間の町を散歩していても、ことごとくお店がやっていないんです!
スーパーらしきものがあっても営業時間が極端に短かったり、食べるもののお店じゃなかったり。
結局、ホテル内のレストランしか行く場所ナシって感じで。
致し方なくホテルのレストランに入ったはいいが、メニューがこれまたかな~り限られていて、食欲をそそらないから困ったもんだ。
そして高い。
満足感の得られない食事をして、高いお金払うのって、けっこうなストレスじゃないですか?
こんなことなら、日本からカップラーメンをスーツケースに詰め込んで持ってこればよかったな~と心の底から思いました。(笑)
でもね、キッティラの大自然は何物にも代えがたい贅沢なごちそうでしたよ♡
明るい時間には、とにかくいろんな所へお散歩。


明るいうちに、オーロラ鑑賞する場所を下見もしました。
マイナスの世界に雪景色が辺り一面に広がっていて、実際の地形はまったくわかりませんでしたが、凍った湖の上に知らず知らずに立ってたんじゃないかな。
どこまでが陸で、どこからが湖なのか …。
30センチ先が見えない世界
昼間は散歩をしたり、アクティビティに参加したりして過ごし、2日目の夜はいよいよオーロラ鑑賞に出発です!
この日はあえてオプショナルツアーには申し込まず、徒歩で湖(らしき場所 … 笑)まで向かいました。
どれくらいの時間帯にオーロラが出現しやすいのか、いちおうは調べてみたものの、こればかりは運任せ。
15時には日が暮れていく冬のフィンランド。
時間はたっぷりありましたから、夜のお散歩がてらのんびりと向かいます。
はじめのうちこそ、わずかな月明かりに照らされて良い感じのお散歩でしたが、気がつくと辺りは漆黒の闇に包まれていました。

これぞ「真っ暗」と言うんでしょうね。
30センチ足らずの距離で隣を歩いている友人の姿が、見えないっ!!
ホント、あれはビックリ体験。
ふだんの暮らしでは、街灯やら月明かりやら、何かしらの光が常にさしているので、30センチ先が見えないなんてことはめったにありません。
私たちはお互いの声だけを頼りに、ときどき互いの腕を手探りでつかみあいながら、
「いる?」
「うん、いる!」
あれは不思議な感覚でしたね~。
でも面白かったです!
暗闇の怖さなんてのは全くなくて、むしろこの貴重な体験を思いっきり楽しんでいました。(笑)
そして、ホテルから30~40分くらい歩いた頃だったでしょうか。
徐々にオーロラスポットに近づいてきたときのことです。
目の前の視界がパーッとひらけたかと思えば、そこにはまばゆいばかりの満天の星空が!
たぶんそこに着くまでにも星々は沢山出ていたと思いますが、私たちがそれに気づいたとき、もうね、信じられない勢いで「流れ星」がびゅんびゅんと飛び交っているわけですよ。
願い事なんてしてる場合じゃないくらい(笑)、満天の星空を流れ星がずっと飛び交ってるんです!
友人とふたり、その場にしばし立ち尽くし、ひたすらボーッと夜空を見上げて「天然プラネタリウム」を満喫。
感動でしたぁ~♡
うっすらと姿を現したオーロラ
私たちがオーロラスポットに到着したとき、暗闇の中からかすかに人の話す声が聞こえて、、、
そしてすぐにそれが「日本人」であることに気付きました。
私たちを含めて3~4組だったかな。
ひとりで来ていた男性は、写真が好きらしく、ものすごい本格的な望遠カメラを三脚にセットしてスタンバイしていましたね。
因みに、その場にいたのは全員が日本人。
この寒さの中、しかもシーズンオフにやってくるもの好きは、、、日本人だけなのか。(笑)
少しだけコミュニケーションをとりながら、それぞれに、いつ出るとも出ないともわからないオーロラの出現を待つこと1時間。
ひとりが「あっ!」と大きな声を出します。
そして私たちはいっせいに前方に広がる暗闇を見つめます。
う~っすらと青白いカーテンが、漆黒の空にゆらゆら …
「あれってそうだよね?」
みんなで声を掛け合いながら、しばし見つめる。
互いの姿は暗闇すぎてほぼ見えていないので、お互いの顔は殆どまともに見てないまま、声だけでコミュニケーション。(笑)
時間にして20分くらいでしょうか。
この日のオーロラはうっすらとした青白い光を放ちながら、静かに揺らめく程度で、それ以上大きくなることはありませんでした。
でも、まずはオーロラを見られたことに感動!
オーロラレストランで「トナカイ」を食す
翌日は北極圏での最後の夜。
せっかくなので、「オーロラ・ディナー」というオプショナルツアーを申し込みました。
高台のオーロラ観測に適したレストランで、トラディショナル・ディナーをいただきながら、オーロラも見れたらラッキー☆だよね、なツアー。(笑)
宿泊しているホテルでピックアップしてもらい、バスで山上レストランへ。
ツアーには25~30人くらいはいたでしょうか。
キッティラにこんなに観光客が滞在してたんだ!?って、ビックリしましたよね。(笑)
滞在中、ほんと人に会うことが少なかったので。
滞在先のホテルもそれぞれに異なっていたから、お互いに同じことを思っていたかも知れませんね。。。
フィンランドのトラディショナルフードって何だと思いますか?
はい、それです。
トナカイ。
なんと、トナカイのステーキがメインディッシュでした。
ほんとうは気乗りしなかったのですが、選択肢がなくて、致し方なくトライすることに。
正直、私には500%ムリな食べ物でしたね。(苦笑)
パサパサしていて、硬くて、少々クセのある匂いもあり、、
でも食べ残すのも申し訳なかったので、オレンジジュースですべてを流し込む作戦を決行。(笑)
この「オレンジジュースで流し込め!」作戦を実行したことは、実はこれが2回目です。
記念すべき第1回は、18歳の頃にはじめて訪れたパリで、ランチに出された「エスカルゴ」。
あのときもかなりの「衝撃的なマズさ」でした。(笑)
でも、だからこそもう2度と食べることもないだろうと思い、これも旅の思い出、涙を流しながらオレンジジュースで流し込んだのでした。。
そして記念すべき2回目がこのトナカイさん。
因みに3回目はマルタ島の「なんかの肉料理」でした。(笑)
あれもそーとーヤバイ食べ物だったな。。。
お料理はそんな感じで、あまり良い想い出はありませんでしたが、レストラン自体は大きな暖炉もあって雰囲気のある素敵な建物でした。

2日目は大天体ショー!!
レストランで食事を終えたら、つかの間、山頂での自由時間。
参加者は各々レストランの外に出て行きましたが、しばらくすると参加者の一人が大きな声で室内にいるみんなを呼びます。
オーロラが出現したのです。
私たちもデザートもそこそこに慌てて外に出てみると、目の前にはいくつもの色を重ねて揺らめく巨大なオーロラが!!
パノラマに広がる夜空の大天体ショ―の始まりです。
ガイドさんも少々興奮気味に「こんなにくっきりとしたオーロラを見られるのは珍しい」と話してくれました。
ホントは食後の自由時間は30分程度しかなく、食事をのんびりしていたら15~20分くらい。
オーロラが必ず見られるわけではないから、だいたいこれくらいの自由時間で十分ということらしいのですが、この日はあまりにも美しいゴージャスなオーロラが出現していたものだから、ガイドさんとドライバーさんの計らいで、しばし時間を延長してオーロラ鑑賞させてくれました♡
こういう機転の利く(あるいは超自由!とも言うが … 笑)海外のツアーって、、、だから好きなのよね。
さすがにタイムオーバーで、そろそろ帰りのバスに乗り込まなければならないという時間になっても、オーロラは消えず。
バスが山を下っていく道すがらも、車窓からオーロラを眺められるという贅沢。
さらには、ホテルに戻ってからもホテルの敷地内からまだ見えていましたから、この日のオーロラは地元の人にとっても珍しいくらいの規模だったのかも知れませんね。
そのまま部屋に入ってしまうのがもったいなくて、ホテルに着いてからもしばらく屋外でオーロラが消えてゆくまで眺めて、、、
大満足の夜となりました。
フィンランドの旅はまだまだ続きます
北極圏のキッティラで過ごした3日間。
旅の目的だったオーロラ鑑賞は想像以上の満足を得ることができ、スノーモービルやトナカイぞりの貴重な体験もでき、言うことなし!
オーロラ鑑賞というと「めちゃくちゃ寒いんでしょ?」なんて、少々尻込みする人も多いのですが、逆に、めちゃめちゃ寒いのがわかっていて行くわけなので、完全防寒スタイル、イメージするほどの大変さはありません。
因みに私はヒートテックの上にスキー用のハイネック、その上から薄手のフリースを着て、アウターはスキー用のジャケット、もしくはロングダウン、ボトムスはスパッツにスキー用靴下、スキー用つなぎのズボンをはいて、手には厚手の手袋、耳当て(必須)、という出で立ちでした。
まね、これがめんどくさいな~って思う人は無理かもしれませんが(笑)、少なくとも私にはそれ以上の価値ある体験でしたから、興味のある方はぜひ、見に出かけてみて欲しいな~と思います。
帰国後、しばらくは「フィンランド観光局」に就職したかのごとく、周囲にお勧めしまくりましたもんね。(笑)
さて、私のフィンランドの旅はこのあと、サンタクロースの故郷「ロバニエミ」へと続きます。
北極圏のキッティラと比べると若干南下するので、きも~ち気温も上がりますが、それでもマイナスの世界です。
次回のお話は、
ロバニエミのサンタクロース村で、念願のサンタクロースとご対面!
シーズンオフのサンタさん、、、
お仕事、お疲れ様です。(笑)